2013年2月25日月曜日

舞台は“あれから”十数年後! 「放課後ライトノベル」第58回は,まさかの再始動を果たしたフルメタ最新

。 ●もう一つの『フルメタ』,Diablo3 Gold。それは,平和の時代の物語  さて,そんな『フルメタル?パニック! アナザー』,果たして原作のファンが読んで失望することなく楽しめるものだろうか? その一人である筆者が自信をもって断言するが,答えは「Yes」である。  確かにこの設定では,仲間を失いながら,それでも死力を尽くして戦う,といった展開は描けないかもしれない。だが宗介たちの戦いによって,世界に大きな変化が訪れた誤解を恐れずに言えば,それを“平和が訪れた”と言い換えてもいいかもしれない以上,そこで描かれる物語もまた,変化して当然なのだ。その意味で,作中の時間が一気に10年以上進み,現実に追いついた(その間に世紀も変わっている)ことは,非常に象徴的な出来事であると言える。これは『フルメタ』であって『フルメタ』ではない。“今”という時代に再スタートを切った,まったく新しい『フルメタ』なのだ。  そして一方では,本家よりも強化された部分というのも存在する。それがメカニック周りの描写だ。もともとこの『アナザー』,「『フルメタ』の設定を生かし,メカ重視で」というコンセプトらしく,ASの開発史や各ASのスペックなどが,原作以上に詳細に設定されている。その濃さは,原作の「サイドアームズ」を思い起こさせる。  それぞれ異なる面白さを持っていた原作各編のエッセンスを凝縮させつつ,新たな魅力をも放ちつつある『アナザー』。これほどファンの期待をいい意味で裏切った続編というのも珍しい。原作は終盤まで巨大な謎を抱えたまま物語が進んでいったが,本作も現時点で多くの謎を孕んでいる。それらの正体がいつ明かされるのか,これからの展開から目が離せない。  最後になるが,Cheap Diablo 3 Gold,本作には原作のファンなら感涙もののキャラクターやエピソードが随所に登場する。それらを自分の目で見るためだけでも,往年のファンは手に取る価値があると言えよう。 ■あらためて振り返る,『フルメタル?パニック!』の軌跡 『フルメタル?パニック! マジで危ない九死に一生?』(著者:賀栒卸ぅ楗攻龋核募就?富士見ファンタジア文庫)  1998年にスタートしてから,10年以上にわたり多くの読者を魅了し続けてきた『フルメタル?パニック!』。今さら原作について説明する必要もないかもしれないが,『アナザー』の刊行を機に復習の意味で今一度その軌跡を振り返ってみたい。  物語は,極秘の軍事組織?ミスリルに所属する傭兵の相良宗介が,日本にやってくるところから始まる
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